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それぞれの過去 紫音編 ~悲劇の少女~
前に言っていた紫音過去話です。
それは、“彼女“が未だ10歳の時の話。
とても大きな部屋、その片隅にあるベッドの上に少女が座っていた。
紫みがかったかなり長い髪。
少しツリ気味で綺麗な赤い瞳。
瞳に負けず、ツンととがった小さな耳。
これでもかというほど真っ白な肌。
着ている服はとても上品そうで、部屋のほうも見渡す限り少し質素だが富豪でないと買えないような調度品が置いてあった。
しかし少女-紫音はものすごく寂しげな表情をしていた。
なぜなら最愛の母の死。
紫音の家は少し特殊でいわゆる『男尊女卑』といったものだった。
簡単にいうと男性こそがすべてで、跡継ぎは必ず男で無ければならなかった。
なので女が生まれた場合、世間にはあまり公表せず、ニューデイズにある別荘に幽閉されてしまう。
紫音も例外ではなく、生まれてすぐ別荘に幽閉され、そこに住み込みで働く使用人によって育てられた。
しかし母は周りの目を盗み、紫音に定期的に会いに来てくれた。
ここにある調度品のいくつかも母がくれたものだ。
だが、母はつい数ヶ月前に不治の病に冒され先日、この世を去った。
今日はその母の葬式だが、紫音は先ほど言った理由のせいで出ることが出来ない。
(私はなんで、男に生まれなかったんだろう? なんでこの家は、私を外に出してくれないんだろう・・・。)
紫音は気がつくと、涙を流していた。
それから数ヶ月後。
「紫音お嬢様、旦那様がご再婚なされたそうですね。」
朝食時、使用人が驚くべき事を言い始めた。
「・・・再婚?」
「はい。その人は旦那様と同じビーストだそうです。」
「え・・・ お父様ってビーストだったの!? じゃあ、私はハーフだったんだ・・・。」
「知らなかったのですか?」
「えぇ、全然。」
紫音は訳が分からなくなった。
もう何も信じたくない、のほうが正しいかもしれない。
父の早すぎる再婚、再婚相手の素性、そして自分の本当の種族・・・。
紫音に一気に押し寄せてくる真実。
しかし彼女はまだ知らなかった。
数ヵ月後、この別荘に新しい悲劇の少女が送り込まれることを・・・。
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