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思春期ですもの(ヘタリア夢小説)

 恋歌狂藍さまから頂いた900hitリクで韓夢甘々小説『思春期ですもの』です。

世界の起源なんて考えただけでもおっくうになってしまうほど難しい話である
ましてや、起源を主張するなど更に考えものである

しかし、そんなことを年中やってのけるような人がこの世には存在する


空には雲ひとつなく、最高の洗濯日和である
いろりはたくさんの洗濯物が入った籠を抱えながら歩いていた
天気が良いので、気分が上がったのか顔も明るい
大好きな歌を口ずさみながらいろりは小道をどんどん進んでいく

(洗濯物を干し終えたらお店で買い物をしに行こうかな!)

この後の事を考えながら先ほど到着した干場で竿に洗濯物をかけていく
いつもは嫌な仕事も今では一種のゲーム感覚で進めることができる


予定よりも仕事が早く終わり、早く家に帰ってお出かけの準備をしようと籠を抱えた瞬間聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた

「いーろーりー!!」

頭に顔のあるくるんをつけた青年がそれはそれは清々しい顔で手を振りながらこちらへと走ってきた
ご丁寧にいろりの名前を呼びながら…

(げっ…ヨンス…)

いろりはあからさまに嫌そうな顔をし、急いで籠を抱えなおすと、その場から逃走しようと方向転換した瞬間…

「捕まえたんだぜ~!!」

ヨンスに思いっきり後ろから抱きしめられ、前のめりに倒れそうになる
根性で踏ん張り、転倒は防いだものの後ろからヨンスに抱きしめられている状況なのでヨンスの腕を掴んで自分から引きはがそうとする
が、しかし、さすがは男である
女のいろりの力ではヨンスの腕を引きはがすことができず、諦めたいろりは降参を相手に伝えるために両手を顔の横まであげて見せた
それを確認したヨンスは嬉しそうな顔をすると、さっきよりもずっと強い力で後ろからいろりを抱きしめる


ヨンスといろりは昔からの幼馴染でいわば腐れ縁である
ヨンスは昔からいろりにべったりで、小さい頃はいろりのそばを片時も離れなかったとか…
そんなこともあってか、二人とも15歳前後になってもこのような調子でお互いを異性として意識していなかった
以前、近所の子に「いろりちゃん達付き合ってるの?」と聞かれた時があった
いろりは今まで交際など、そんなことを一度も考えたことがなかったので、素直に違うと答えた
それを聞いた友人は心底驚いた顔で大丈夫なのかと聞いてきた
いろりは別に心配することはないといって、それ以上ヨンスについてあまり考えることはなかった

しかし、この頃どうもヨンスの様子がおかしい
いつもの起源主張は当たり前なのだが、何故か最近になって、

「いろりの起源は俺なんだぜ!」

といいだしてきた
最初それをいろりが聞いた時、むしろ私がお前の起源だといってやるとあからさまに焦ったような素振りを見せてきた
幼馴染の様子がおかしいのが心配だが、毎日明るく自分の元へとやってくるのだから別に心配することはないだろうとまた深く考えようとはしなかった


「いろりの起源は俺なんだぜ!」

今日もまた同じことを言い出す
昨日と一字一句間違わずに言ってのけるので、その時だけ一瞬ヨンスが機械に見えてくる
そんな風に錯覚させられるほど、ヨンスはその言葉を言ってきて、いろりもまたその言葉を聞き慣れすぎていた

「なんで私の起源がヨンスなの?」

素朴な疑問を彼に問いかけるいろり
ヨンスはあからさまに焦って見せると

「き、起源だから仕方ないんだぜ!」

と答えにならないような答えを言ってきた
いろりは少し顔をしかめると、また質問しようとしたがこれ以上聞くと埒が明かなさそうなので聞くのをやめることにした

「いろりは俺が起源だと嫌…?」

ヨンスが後ろから少し低い声で聞いてきた
今まで一度も聞いたことのないような『男の子』の声だった
その声に少しびっくりしたのか、一瞬心臓が跳ね上がる

「べ、別に…」

ぶっきらぼうに答えると、ヨンスがしゅん…と肩を落とす

「…いい加減離れてほしいんだけど…」

後ろのヨンスにそう呼びかけるとヨンスはすんなり腕を離してくれた

後ろを振り向くと、半泣き状態のヨンスがそこにいた
泣く必要があるのか、と少し疑問に思ったがあえてツッコマ無いことにした

「ショックなんだぜ…」

本当に悲しかったのかぐずりながらそう言った
昔と本当に変わらない泣き虫の『幼馴染』がそこにいた
可愛そうなので頭をなでてやると、

「お、俺はもう男なんだぜ…!」

といっていろりの手を払った
涙をいっぱいにためた顔で言われても全く説得力がない
くすり…と笑ってみせるとヨンスが顔を赤くした
そろそろ本格的にかわいそうになってきたので、

「ごめんごめん、一緒に買い物してあげるから泣かないで?ね?」

と、子供をあやすように言ってやった
まだ不屈そうな顔をしているが、ヨンスはコクリとうなずくと駄々をこねるのをやめた

全く変わっていなかった
いろりが先頭に立ち、ヨンスがその後ろを歩く…
本当に変わらない二人の距離…
『幼馴染』という距離

いろりが籠を抱えてさっきの道を歩いていると後ろのヨンスが、

「いいこと思い付いたんだぜ!!」

と言って、いろりの前に立った
いろりはヨンスがいきなり前に立ってきたことにビックリしどうしたのかとたずねようと口を開いたのだが、ヨンスが両手をおもいっきり広げ、

「いろりの起源が俺じゃないんなら、これから俺が起源になるようにすればいいんだぜ!」

と言い出したのでいろりは口を開けたままぽかんとしていた
一体どういう意味なのかと問いかける前に、ヨンスが、

「だから、いろりはこれからも俺と一緒にいればいいんだぜ」

と自信満々に言った

「ずっと…?」

いろりがそう聞くとヨンスは満面の笑みでうなずいた

(一生は無理だろ…)

いろりは冷静にそう心の中でツッコミを入れるとため息をついた

それを見たヨンスは

「ひどい!ひどいんだぜ!!」

と叫び始めた

「一生一緒にいれるわけないでしょ…
夫婦じゃあるまいし…」

常識的なことをいうとヨンスはなるほどと言ったような顔でいろりを見つめた
どこまでバカなのかと疑いたくなったのでまたため息をついた
ヨンスはさっきからいろいろと考えているようなので先に進むことにしたいろり…
ある程度進んだところでヨンスがいきなり声を張り上げた

「じゃあ…
夫婦になればいいんだぜ!!」

あまりにも突拍子もないことを言うので、いろりは思わず「は?」と言ってしまった

ヨンスは真面目な顔で

「俺と結婚してください」

と『男の子』の声でいってきた


その時のいろりの顔は今をいきる『女の子』の顔をしていた



(おかしい…)
(だってあいつは…)
(ただの)
(『幼馴染』でしょ…?)







 
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 グハッ!(吐血中)

 な、なんて素敵で甘い夢なんだ!

 実は恋歌さまからは2回目のリクなんですよ。

 リクしたときに「ヨンス初めて」的な発言していたので「無理言っちゃったかな?」と思ってたのですが、とてもキュートでハートフルな感じになっていて驚きました。

 本当に、恋歌さま有難うございました!

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無題
なにこれかわいい。
キュンときました!(*´ω`)
  • フーコ さん |
  • 2010/11/09 (15:44) |
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