ゲーム版権絵中心で活動中! 更新率にはムラが有るけど基本多めだヨw 最近SS始めました。
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鈴カステラ様から。(ヘタリア夢)
ヘタリアイラスト&夢小説サイト様、『深緑色の海底』の管理人鈴カステラさまのハロウィン企画に書いて頂いたヨンス×夢主小説です。
吸血鬼:韓
テカテカと艶やかな色味のあるイチゴジャムを乗っけた、サクサクのクッキー
冷蔵庫で冷やし終えたばかりのそれを取出し、一枚口に含むと、口いっぱいに甘さと心地よい酸味が広がる
「ん、美味しい」
口の中に残るバターの香りを楽しみながら、ジャムがしっかり固まってる事を確認して一個一個袋に入れ、リボンをかける
年に一度のハロウィン
子供も大人も楽しむ今日
去年とは違い、各国が集まって朝から夜までやるハロウィンパーティーにも行かずひたすらに美味しいお菓子を、愛しい愛しいヨンスの為に作っていた。
まぁそれでもやはりハロウィンなのだからと一応仮装だけはしているねだけれど。
(というか、ぶっちゃけ昨日ヨンスと菊さんに「パーティーに来ないならせめて仮装だけでも!」と懇願されたから着てるってが一番の理由だったりする)(パーティー行かないのに仮装しても意味ないのにね)
さて、そろそろ彼が帰って来る予定の夕方
ヨンスが食べたいと駄々をこねたから作ったこのイチゴジャムクッキーを含む苺やらトマトやらを使った赤いお菓子。他にも、焼いてる間や冷やす間なんかで作った他の色とりどりなお菓子が並んだ机を見やる。
普通のクッキーに口直し用の塩辛い料理数品、ゼリーにプリンにそれからケーキまで
所狭しとならんだそれらはどれも私の自信作
あと、ヨンスが向かい側の椅子に座ればそれで完璧。
パーフェクト。
「まだかなぁ…」
昨年のヨンスは確か狼男の仮装だった。今年は張り切ってたから、どんな仮装なのかがすごい楽しみ
きっと、もうしばらくしたら満面の笑みで来るだろうヨンスの姿を思い浮かべると、ただそれだけで思わず顔が綻ぶ。
――――…ピンポーン
「…あれ?」
わくわくしながら椅子に腰掛けていると、聞こえてきたインターホン。
ヨンスは絶対にインターホンなんか鳴らさないから、きっとお客さんだ
「はーい、今開けまー…
あ、菊さん!」
「こんにちは、いろりさん。」
ドアを開けると、ふふ、っと微笑みを溢しながら魔法使いの格好をした菊さんが一人、風呂敷を抱えて立っていた
「せっかくのハロウィンですのでお菓子を作って来たんですが…。
いろりさんはパーティーに来てなくて渡せなかったので、直接渡しに来ました」
「おおー、すごく美味しそうなかぼちゃの和菓子…。
わざわざありがとうございます!
私もお返しがしたいので、中に入って一緒にお茶しませんか?」
ちょうどお菓子は余るくらいあるから、お茶うけにするにはいいだろうし。
菊さんに笑顔でそう言えば、一瞬考える素振りをした菊さんはすぐさま苦笑を浮かべた
「それはそれは素敵なお誘いですね。是非ともご一緒したいところなのですが…私はこれからもう一度パーティー会場に戻らなければ。私がいないとルートさんの胃潰瘍が悪化してしまいます。
―――…それに、私はまだ馬に蹴られて死にたくはありませんので」
「…え、菊さ、」
「いろりーーーーっ!!!」
「うおっ!?」
大音量の叫びが鼓膜を痛いくらい揺さ振ると同時に腰にずんっとした衝撃が襲う
あまりにいきなりすぎて、呼吸が一瞬止まった。ぐふぅ…っ、
「おやおや。さすがに早いですね、ヨンスさん。」
「ヨ、ンス。」
腰に巻きついた力強いヨンスの腕の温かみを感じながら、その強すぎる力強さのせいで締め上げられてる体がミシミシと悲鳴を上げる体に鞭を打ちヨンスを引き離そうとする。が、なかなか引き離せない。
「当たり前なんだぜ!菊がいろりの所に行ったって聞いて駆け付けて来たんだぜ!いろり、いろり、大丈夫なんだぜ?変な事されてないんだぜ!?というかなんで菊を家に招くんだぜ?これから俺と二人で蜜月タイムをするのになんで菊を入れようとするんだぜ!浮気は駄目なんだぜー!」
「だ、大丈夫だから、ってお願っ、っぐふ、は、話聞いて…!」
「いろりーーーー!!」
「おやおや、おやまぁ。
これは…私はお邪魔なようですね。そろそれ帰る事にしましょうか」
「ちょっと待って菊さん助けて!」
「いろり、なんでそんなに菊を呼ぶんだぜ?俺と二人きりはいやなんだぜ?!」
「そういう訳じゃ」
「だめなんだぜ、俺以外を見るなんて許さないんだぜ!
お、…おおおお、お前とお前の血は俺の物なんだぜ!!」
「…………へ?」
私の、血…?何時もなら絶対に言わないようなセリフを顔を真っ赤にしながら言ったヨンスの様子を見て、私はその時ようやくヨンスの姿を見た。
黒いスーツに黒いコート。前髪は後ろに撫でるように流し、そしてその口元から覗くのは普段見かけない長めの八重歯。更に思い出したのは家の中で今だ起きっぱなしになってる、彼にせがまれて作った真っ赤お菓子。
もしかして、いや。もしかしなくても…―――――
「吸血鬼…?」
ああ、だから彼はあんなセリフを。
確かめるように口についたその言葉に、ヨンスは、更に顔を赤くして俯き、菊さんはクスクス笑う。
「菊さん?これは?」
「ふふ、意地らしいですね」
「え?」
「ヨンスさんですよ。」
実は、貴方に飽きられたくなくて、今日のパーティーではフランシスさんやフェリさんにコーディネートして貰ったり、口説き文句を伝授して貰ったりと、とにかく頑張っていたんです。
こっそり耳打ちして教えてくれたそれは、しかしすぐ近くにいたヨンスにはしっかり聞こえていたようで。
「…っ菊の馬鹿!言うなって言ってたんだぜ!」「おやおや、それは失礼。つい口が…やはり歳ですかねぇ」「そうやってすぐ年寄りぶって話をかわすのも止めるんだぜっ!」「それが私のアイデンティティーです。それではっ!」「あ、待つんだぜ!逃げるだなんて卑怯なんだぜ!」
そんな会話がすぐ近くで繰り広げられ、そして逃げ出した菊をヨンスは追いかけていった為、今は私一人がぽつんと玄関の前で立ち呆け
「………なんだか、なぁ」
私、これ以上心臓を激しく動かしたら確実に死んじゃう
甘い空気に毒されて
甘い、甘いお菓子をたくさん置いたテーブル。
家に戻り紅茶を煎れ、一旦椅子に座ると、人知れず火照る頬を抑えながら、もう少ししたら帰って来るであろうヨンスの帰りを再び待ち詫びた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
うおお!なんですかこの可愛いヨンス!
可愛いよ!可愛いよ!
ハロウィン企画で、『吸血鬼の格好したヨンスで、台詞は「お前とお前の血は俺の物なんだぜ!」と言わせる』とリクした結果、とても素敵な作品を書いてくれました。
ホント、これ読んだら鼻からメッコールが出てくる程素敵で嬉しかったです。
鈴カステラ様、有難うございました。そして受験がんばってくださいねノシ
テカテカと艶やかな色味のあるイチゴジャムを乗っけた、サクサクのクッキー
冷蔵庫で冷やし終えたばかりのそれを取出し、一枚口に含むと、口いっぱいに甘さと心地よい酸味が広がる
「ん、美味しい」
口の中に残るバターの香りを楽しみながら、ジャムがしっかり固まってる事を確認して一個一個袋に入れ、リボンをかける
年に一度のハロウィン
子供も大人も楽しむ今日
去年とは違い、各国が集まって朝から夜までやるハロウィンパーティーにも行かずひたすらに美味しいお菓子を、愛しい愛しいヨンスの為に作っていた。
まぁそれでもやはりハロウィンなのだからと一応仮装だけはしているねだけれど。
(というか、ぶっちゃけ昨日ヨンスと菊さんに「パーティーに来ないならせめて仮装だけでも!」と懇願されたから着てるってが一番の理由だったりする)(パーティー行かないのに仮装しても意味ないのにね)
さて、そろそろ彼が帰って来る予定の夕方
ヨンスが食べたいと駄々をこねたから作ったこのイチゴジャムクッキーを含む苺やらトマトやらを使った赤いお菓子。他にも、焼いてる間や冷やす間なんかで作った他の色とりどりなお菓子が並んだ机を見やる。
普通のクッキーに口直し用の塩辛い料理数品、ゼリーにプリンにそれからケーキまで
所狭しとならんだそれらはどれも私の自信作
あと、ヨンスが向かい側の椅子に座ればそれで完璧。
パーフェクト。
「まだかなぁ…」
昨年のヨンスは確か狼男の仮装だった。今年は張り切ってたから、どんな仮装なのかがすごい楽しみ
きっと、もうしばらくしたら満面の笑みで来るだろうヨンスの姿を思い浮かべると、ただそれだけで思わず顔が綻ぶ。
――――…ピンポーン
「…あれ?」
わくわくしながら椅子に腰掛けていると、聞こえてきたインターホン。
ヨンスは絶対にインターホンなんか鳴らさないから、きっとお客さんだ
「はーい、今開けまー…
あ、菊さん!」
「こんにちは、いろりさん。」
ドアを開けると、ふふ、っと微笑みを溢しながら魔法使いの格好をした菊さんが一人、風呂敷を抱えて立っていた
「せっかくのハロウィンですのでお菓子を作って来たんですが…。
いろりさんはパーティーに来てなくて渡せなかったので、直接渡しに来ました」
「おおー、すごく美味しそうなかぼちゃの和菓子…。
わざわざありがとうございます!
私もお返しがしたいので、中に入って一緒にお茶しませんか?」
ちょうどお菓子は余るくらいあるから、お茶うけにするにはいいだろうし。
菊さんに笑顔でそう言えば、一瞬考える素振りをした菊さんはすぐさま苦笑を浮かべた
「それはそれは素敵なお誘いですね。是非ともご一緒したいところなのですが…私はこれからもう一度パーティー会場に戻らなければ。私がいないとルートさんの胃潰瘍が悪化してしまいます。
―――…それに、私はまだ馬に蹴られて死にたくはありませんので」
「…え、菊さ、」
「いろりーーーーっ!!!」
「うおっ!?」
大音量の叫びが鼓膜を痛いくらい揺さ振ると同時に腰にずんっとした衝撃が襲う
あまりにいきなりすぎて、呼吸が一瞬止まった。ぐふぅ…っ、
「おやおや。さすがに早いですね、ヨンスさん。」
「ヨ、ンス。」
腰に巻きついた力強いヨンスの腕の温かみを感じながら、その強すぎる力強さのせいで締め上げられてる体がミシミシと悲鳴を上げる体に鞭を打ちヨンスを引き離そうとする。が、なかなか引き離せない。
「当たり前なんだぜ!菊がいろりの所に行ったって聞いて駆け付けて来たんだぜ!いろり、いろり、大丈夫なんだぜ?変な事されてないんだぜ!?というかなんで菊を家に招くんだぜ?これから俺と二人で蜜月タイムをするのになんで菊を入れようとするんだぜ!浮気は駄目なんだぜー!」
「だ、大丈夫だから、ってお願っ、っぐふ、は、話聞いて…!」
「いろりーーーー!!」
「おやおや、おやまぁ。
これは…私はお邪魔なようですね。そろそれ帰る事にしましょうか」
「ちょっと待って菊さん助けて!」
「いろり、なんでそんなに菊を呼ぶんだぜ?俺と二人きりはいやなんだぜ?!」
「そういう訳じゃ」
「だめなんだぜ、俺以外を見るなんて許さないんだぜ!
お、…おおおお、お前とお前の血は俺の物なんだぜ!!」
「…………へ?」
私の、血…?何時もなら絶対に言わないようなセリフを顔を真っ赤にしながら言ったヨンスの様子を見て、私はその時ようやくヨンスの姿を見た。
黒いスーツに黒いコート。前髪は後ろに撫でるように流し、そしてその口元から覗くのは普段見かけない長めの八重歯。更に思い出したのは家の中で今だ起きっぱなしになってる、彼にせがまれて作った真っ赤お菓子。
もしかして、いや。もしかしなくても…―――――
「吸血鬼…?」
ああ、だから彼はあんなセリフを。
確かめるように口についたその言葉に、ヨンスは、更に顔を赤くして俯き、菊さんはクスクス笑う。
「菊さん?これは?」
「ふふ、意地らしいですね」
「え?」
「ヨンスさんですよ。」
実は、貴方に飽きられたくなくて、今日のパーティーではフランシスさんやフェリさんにコーディネートして貰ったり、口説き文句を伝授して貰ったりと、とにかく頑張っていたんです。
こっそり耳打ちして教えてくれたそれは、しかしすぐ近くにいたヨンスにはしっかり聞こえていたようで。
「…っ菊の馬鹿!言うなって言ってたんだぜ!」「おやおや、それは失礼。つい口が…やはり歳ですかねぇ」「そうやってすぐ年寄りぶって話をかわすのも止めるんだぜっ!」「それが私のアイデンティティーです。それではっ!」「あ、待つんだぜ!逃げるだなんて卑怯なんだぜ!」
そんな会話がすぐ近くで繰り広げられ、そして逃げ出した菊をヨンスは追いかけていった為、今は私一人がぽつんと玄関の前で立ち呆け
「………なんだか、なぁ」
私、これ以上心臓を激しく動かしたら確実に死んじゃう
甘い空気に毒されて
甘い、甘いお菓子をたくさん置いたテーブル。
家に戻り紅茶を煎れ、一旦椅子に座ると、人知れず火照る頬を抑えながら、もう少ししたら帰って来るであろうヨンスの帰りを再び待ち詫びた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
うおお!なんですかこの可愛いヨンス!
可愛いよ!可愛いよ!
ハロウィン企画で、『吸血鬼の格好したヨンスで、台詞は「お前とお前の血は俺の物なんだぜ!」と言わせる』とリクした結果、とても素敵な作品を書いてくれました。
ホント、これ読んだら鼻からメッコールが出てくる程素敵で嬉しかったです。
鈴カステラ様、有難うございました。そして受験がんばってくださいねノシ
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